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【世事関心】425事件 中南海への陳情の真実(上)

2010年11月17日

1999年4月25日、法輪功の学習者1万名が北京の陳情事務所に集結。ここは、中国共産党の政治の中心「中南海」の近くなので、4.25事件」、または「中南海事件」と呼ばれます。

この陳情は、法輪功への迫害の引き金になったといわれます。では、法輪功の学習者はなぜ中南海に集まったのでしょうか。
 
本日は法輪功の学習者1万名が陳情をした、99年4月25日を振り返ります。これは、当時の中国、さらには現在の中国にとって、何を意味しているのでしょうか。
 
今日は早朝から、上海体育センターに約1万名の法輪大法の愛好者が集まり、功法を披露。創始者の李洪志氏は92年から公に功法を伝え、人気を博しています。法輪功は場所や時間の制約がなく、意念の導引も必要ないという、いまだかつてない気功なので、この6年、香港、台湾、マカオを含む全国各地で自発的な煉功組織ができたほか、すでに世界4大陸へと広がっており、法輪大法を学ぶ人も1億人に達しています
 
これは迫害前の98年12月、上海テレビ局の報道です。このニュースに皆様、驚かれたと思います。実は、99年の迫害の前まで、中国共産党の政府部門、さらには政治局の上層部にも法輪功を正しくとらえていた方は少なくありませんでした。当然、中には法輪功の事件を作り上げて、自身の政治的野心を満たそうとする者もいました。
 
1992年5月13日、李洪志氏は長春で初めて法輪功の講習会を開催。その後、中国気功科学研究会は李氏に気功師証書を授与すると、その翌年には北京の法輪功研究会へ「中国気功科学研究会直属功法登録証」を交付して、法輪功研究会を「学術的団体」と承認。その活動範囲を「理論と研究、功法の普及、相談サービス」の三つとし、中国全土を活動範囲として定めました。
 
93年8月31日、国などのために危険を顧みず人助けをした英雄をたたえる「見義勇為基金会」が、李洪志氏へ感謝状を授与。英雄と表彰された一部の人に対し、李氏が無料で病気治療を行ったためです。
 
これについて93年9月21日、公安省の機関紙『人民公安報』が報道。「気功治療を受けたほとんどの者に、大変良い効果が見られた」と伝えました。
 
93年12月27日、公安省所属の「中華見義勇為基金会」は李洪志へ栄誉証書を授与。同じ月、北京の東方健康博覧会で、李氏は博覧会最高の栄誉「隣接科学進歩賞」のほか「特別金賞」、「最も歓迎される気功師」など、誰よりも多くの賞に輝きました。
 
しかしこのあと、法輪功は数々の妨害に遭い始めます。これに対して、98年の後半、喬石(きょう せき)氏など全国人民代表大会の退職幹部が法輪功に関する、詳しい調査と研究を実施。その結果、「法輪功は国と国民にとって、百の利があっても一つの害すらない」との結論が出て、報告書も当局に出されました。
 
国家体育総局 伍紹祖氏が長春で大衆体育を視察
 
国家体育総局も98年5月、法輪功への全面的な調査を実施。9月には医学の専門家チームが、広東省の12,553人の法輪功学習者へサンプル調査を行いました。結果、病気に対し有効だったと答えた人は97.9%。10月20日、国家体育総局から長春とハルピンに派遣された研究チームの責任者は、「法輪功の効果は素晴らしい。社会の安定、精神文明の建設への効果も顕著だ。これは認めるべきである」と発表。大連、北京などでの民間調査も同じ結果が出ました。
 
99年2月、アメリカの時事解説誌『USニューズ&ワールド・レポート(US News and World Report)』が、法輪功の健康効果を紹介しました。
 
国国家体育総局の局長は、「法輪功などの気功によって、一人当たり毎年、医療費を千元節約できる。1億人が煉功すれば、1千億元節約できる。朱容基首相も、これを喜んだ。国の金をもっと有効に使えるから」と発言。
 
これまで、「99年4月25日の集団陳情の前まで、当局は法輪功をあまり知らなかった」と見られていましたが、実は全くそうではなかったのです。
 
心身の健康や道徳の向上において、効果の高い法輪功。心や体を修める修煉の面でも、常識を超えます。そこで法輪功に出合った人々は固定観念が変わり、宇宙や人生へも新たな見方をします。
 
しかし、国民の考え方を厳しく制御することで政権を維持する共産党にとっては、絶対的な唯物主義が要です。唯物主義にとらわれない法輪功がまたたくまに広がると、当局は、激しい疑心暗鬼に陥ります。これも、後の迫害の伏線になりました。
 
風雲が突然変わり 山雨来臨の予感
 
96年、中央宣伝部の徐光春・副部長は十大メディアの編集長会議を開催。『光明日報』へ法輪功を中傷する文章の掲載を指示したほか、他の新聞にはその転載を命じました。その後、メディアを管轄する新聞出版署は各地への通達で、法輪功に関する書籍の出版を禁じました。
 
98年7月、公安省は公政[1998]第555号「法輪功への調査の通知」を内部通達。まずは法輪功を「邪教」としたあと、「活動内容を把握「し、犯罪の証拠を見つけるため、立ち入った調査(いわゆるスパイ調査)を行うように」とあります。
 
しかし、羅幹による2度の「調査」は、一部の法輪功学習者に大きな傷を残しました。
 
たとえば、遼寧(りょうねい)省朝陽市の公安局は、「法輪功の不法活動禁止の通知」を出しました。その結果、法輪功の世話役の補導員は合わせて4,000元以上も罰金を払う羽目に。しかも、領収書を出さなかったり、白紙しかよこさなかったりしました。この件で、40人以上が公安省に陳情に行き、1,000人以上が連名でこの人権侵害を訴えました。→長くなった
 
98年7月21日、公安省が再び全国各地に「通知」を出したため、新疆、黒竜江省、河北省、福建省などでは、警察が煉功を激しく妨害する事件が相次ぎ発生。さらに、不法な家宅捜査や個人財産の差し押さえなど、多くの人権侵害が起こりました
 
煉功している群衆に水をかけ
高音スピーカーで妨害を行う
 
法輪功弾圧に躍起となった指導者、つまり羅幹などの存在により、法輪功を取り巻く空気は不穏さを増します。当時、真実を伝え、法輪功を支持する記者や政府官僚もいましたが、一方で、これを機に政治の実績を挙げようと、法輪功を誹謗中傷する者も現れました。
 
科学のごろつき(ならず者)が先導し
是非が転倒される
 
すると何祚庥(かさくしゅう)は、雑誌社に目をつけます。99年4月11日、天津教育学院の雑誌に、「青少年の気功に賛成しない」との文章を投稿。→ちょっと長い
 
何祚庥の文章は、「法輪功を修煉したらただではすまない、国が亡びることもあり得る」と暗示。これに対し、多くの法輪功学習者は全容解明を訴えます。さもなければ、学習者の合法的な煉功の権利が脅かされるほか、政治的野心を抱く者に利用され、汚い政治闘争に巻き込まれるかもしれないのと感じたからです。
 
こうして、数千人の法輪功学習者は自発的に雑誌社(何祚庥の文章を掲載した雑誌の出版社)に赴き、事情を説明しました。4月23日、天津市は突如、300人以上の武装警察を出動させ、雑誌社に向かう学習者を強制排除したうえ、法輪功学習者45人を殴打・逮捕しました。このあと、天津市当局は、「鎮圧は北京からの命令なので、北京に陳情に行くのがよい」と学習者に勧めました。
 
こうして、4.25事件の幕が開かれました。中南海で実際、起こったこととは一体?
 
世界を震撼させた「4.25」事件の幕はこうして開かれ、後の中国社会にも大きな影響を与えました。番組の後半では、99年4月25日に中南海で起こった事件を再現します。また、中国社会の政治、法律、道徳の面にもたらした深刻な影響についても、迫っていきます。
 
 

 

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